

引っ越しや家のリフォームの際、荷物の一時保管が必要になる場面は意外と多いものです。「一時保管はどこでできるの?」「サービスの種類ごとの料金内訳はどうなっているの?」といった疑問を持つ方もいるでしょう。
荷物預かりサービスの料金は、期間別(1ヶ月・半年・長期)や荷物量別(一人暮らし・家族)で大きく変動し、引越し業者の料金とトランクルームの料金を比較することが重要です。
この記事では、具体的な料金シミュレーションを交え、費用を安い方法で抑える選び方のポイントを解説します。注意点やデメリット、保管環境やセキュリティ、保険、預けられないもの、利用の流れ、建て替えやリフォームの事例、よくある質問まで網羅的にご紹介します。
- 荷物預かりサービスの種類とそれぞれの特徴がわかる
- 期間や荷物量に応じた具体的な料金相場を把握できる
- 費用を賢く安く抑えるための具体的な方法がわかる
- 自分の状況に最適なサービスの選び方が明確になる
引っ越し時の荷物預かりサービスの料金相場と種類
荷物の一時保管はどこでできる?
引っ越しに伴い荷物を一時的に預けたい場合、主に4つのサービスが選択肢となります。それぞれのサービスは特徴が異なるため、ご自身の目的や荷物の種類に合わせて選ぶことが大切です。
主な荷物預かりサービス
- 引越し業者の荷物保管サービス:引越し作業とセットで荷物の保管を依頼できるサービス。運搬から保管までワンストップで完結するのが最大の魅力です。
- トランクルーム:専門の収納スペースをレンタルするサービス。空調やセキュリティが完備された「屋内型」と、車で乗り付けやすい「屋外型」があります。
- 宅配型トランクルーム:段ボールに詰めた荷物を宅配便で送り、専門の倉庫で保管してもらうサービス。箱単位で手軽に預けられます。
- レンタル収納スペース:トランクルームとほぼ同じ意味で使われますが、主に収納スペースそのものを貸し出すサービスを指します。
建て替えやリフォーム、新居への入居日までの期間調整など、短期間の保管であれば引越し業者のサービスが便利です。一方で、留学や長期出張など、数ヶ月以上にわたる保管や、保管中に荷物を出し入れしたい場合はトランクルームが適しています。
サービスの種類と比較ポイント
荷物預かりサービスは、それぞれにメリット・デメリットがあります。どのサービスが自分に合っているか判断するために、特徴を比較してみましょう。

| サービス種類 | メリット | デメリット | こんな人におすすめ |
|---|---|---|---|
| 引越し業者の保管サービス | ・引越しの運搬と保管をまとめて依頼できるため手間が少ない ・短期保管(数日~1ヶ月)のプランが充実している ・引越しプランのオプションとして保管料が割引・無料になることがある |
・保管中の荷物の出し入れが原則不可、または有料・予約制 ・保管場所を自分で選べない ・長期保管になると割高になる傾向がある |
・建て替えやリフォームで入居日がずれるなど、短期間だけ預けたい人 ・とにかく手間をかけずに引越しと保管を済ませたい人 |
| 屋内型トランクルーム | ・空調完備で温度・湿度が管理されているため、カビや劣化に強い ・セキュリティ(防犯カメラ、入退室管理)が強固 ・24時間出し入れ自由な施設が多い |
・屋外型に比べて料金が割高 ・自分で荷物を運ぶか、運送業者を別途手配する必要がある ・初期費用(事務手数料、保証料など)がかかる場合がある |
・衣類、布団、書籍、家電、美術品など、デリケートな荷物を預けたい人 ・中長期で保管したい人 ・セキュリティを重視する人 |
| 屋外型トランクルーム | ・屋内型に比べて料金が安い ・車を横付けできるため、大型の荷物の搬入出が楽 ・バイクやタイヤ、アウトドア用品などの保管に適している |
・空調がないため、夏は高温、冬は低温になり、結露も発生しやすい ・温度や湿度の影響を受けやすいデリケートな荷物には不向き ・セキュリティは屋内型より劣る場合がある |
・大型の家具や家電、アウトドア用品、タイヤなどを預けたい人 ・保管コストをできるだけ抑えたい人 |
| 宅配型トランクルーム | ・自宅で荷物の預け入れ・取り出しができるため手軽 ・段ボール1箱から預けられ、少量・小物保管の料金が安い ・預けた荷物をアプリやWebで管理できる |
・段ボールに入らない大型の家具・家電は預けられない ・荷物の取り出しに数日かかり、送料も発生する ・急な荷物の出し入れには向かない |
・シーズンオフの衣類や書籍、趣味のコレクションなど、少量の荷物を預けたい人 ・自宅の収納スペースを確保したい人 |
手間を最優先するなら「引越し業者」、保管環境や自由度を重視するなら「トランクルーム」、手軽さを求めるなら「宅配型」というように、自分のニーズに合わせて最適なサービスを選択しましょう。
荷物預かりの料金内訳を解説
荷物預かりサービスを利用する際にかかる費用は、毎月の保管料だけではありません。契約時に必要な「初期費用」や、状況によって発生する「その他費用」も考慮して、総額で予算を考えることが重要です。


初期費用(契約時に1回のみ)
- 事務手数料:契約手続きにかかる費用。
- 鍵代:トランクルームの鍵の発行費用。
- 保証料・保証委託料:家賃保証会社に支払う費用。月額料金の0.5~1ヶ月分が相場です。
- セキュリティ登録料:入退室カードの発行などにかかる費用。
- 初月利用料:契約した月の利用料。日割り計算の場合と、翌月分と合わせて前払いする場合があります。
月額費用(毎月発生)
- 月額保管料(利用料):スペースのレンタル料金。広さや立地、設備によって変動します。
- 管理費・共益費:施設の清掃や維持管理に使われる費用。
その他費用(必要に応じて発生)
- 運送料:トランクルームへ荷物を運ぶ際に、運送業者に依頼した場合の費用。
- 保険料:荷物の盗難や火災に備える保険。基本料金に含まれる場合と、オプションで加入する場合があります。
- 更新料:契約を更新する際に発生する費用。1年契約で月額料金の0.5~1ヶ月分が相場です。
- 解約料・違約金:契約期間の途中で解約した場合に発生することがあります。
特にトランクルームを契約する場合、初期費用として月額料金の2~3ヶ月分が必要になることも珍しくありません。月額料金の安さだけで決めず、必ず総額で見積もりを取って比較検討しましょう。
期間別(1ヶ月・半年・長期)の費用
荷物を預ける期間によって、適したサービスや料金相場は大きく変わります。ここでは「短期」「中期」「長期」の3つの期間に分けて、費用の目安を見ていきましょう。
1ヶ月(短期)
新旧住居の入居日のズレなどで最も利用が多い期間です。運搬と保管をまとめて依頼できる引越し業者の保管サービスが便利です。
- 料金相場:一人暮らしで1万円~3万円、家族で3万円~7万円程度(運搬費除く)
- 特徴:トランクルームは日割り計算に対応していないことが多く、1ヶ月未満でも1ヶ月分の料金がかかるのが一般的です。
半年(中期)
リフォームや短期の海外出張などで利用される期間です。このくらいの期間になると、引越し業者のサービスよりもトランクルームを契約した方がトータルコストを抑えられるケースが多くなります。
- 料金相場:一人暮らしで月額5,000円~1.5万円、家族で月額1.5万円~4万円程度
- 特徴:複数のトランクルーム業者を比較し、キャンペーンなども含めて検討すると良いでしょう。
1年以上(長期)
海外転勤や留学などで利用される期間です。月額料金の安さが重要になるため、都心部から離れた郊外のトランクルームが選択肢に入ります。
- 料金相場:半年利用の月額料金と同等か、長期割引が適用されて安くなる場合があります。
- 特徴:業者によっては長期契約者向けの割引キャンペーンを実施していることがあるため、契約前に必ず確認しましょう。
荷物量別(一人暮らし・家族)の目安
預ける荷物の量によって、必要なスペースの広さや料金が変わります。一人暮らしと家族の場合で、どのくらいのスペースと料金が必要になるのか、目安をご紹介します。
一人暮らし(単身)の場合
- 荷物量の目安:ワンルーム~1K相当。段ボール10~20箱、冷蔵庫(小)、洗濯機、ベッド、テレビなど。
- 推奨サービスと広さ:
- 宅配型トランクルーム:段ボールのみの場合
- 屋内・屋外型トランクルーム:0.5畳~1.5畳が目安
- 引越し業者の保管サービス:単身パック+保管オプション
- 料金相場(月額):
- トランクルーム:3,000円~15,000円
- 引越し業者(保管料のみ):15,000円~30,000円(別途運搬費)
家族(2~4人)の場合
- 荷物量の目安:2LDK~3LDK相当。段ボール30~50箱以上、大型冷蔵庫、ドラム式洗濯機、ソファ、ダイニングセットなど。
- 推奨サービスと広さ:
- 屋内・屋外型トランクルーム:2畳~4畳以上が目安
- 引越し業者の保管サービス:家族向けプラン+保管オプション
- 料金相場(月額):
- トランクルーム:12,000円~50,000円
- 引越し業者(保管料のみ):30,000円~70,000円(別途運搬費)
あくまで上記は目安です。荷物量は個人差が大きいため、正確な料金を知るためには、必ず業者に見積もりを依頼しましょう。特にトランクルームの場合、契約前に現地を見学し、実際に荷物が収まるか確認することが大切です。
引越し業者の保管サービス料金
引越し業者の保管サービスは、運搬と保管をワンストップで依頼できる手軽さが最大のメリットです。料金体系は少し複雑なため、仕組みを理解しておきましょう。
料金体系
一般的に、「引越し基本料金」+「保管料金」+「保管後の搬送料金」の3つで構成されます。業者によっては、これらがセットになった「建て替えパック」のようなプランも用意されています。
保管料金は、荷物を入れるコンテナの数や、家財全体の体積(m³)によって計算されることが多いです。
料金相場(保管料のみの月額目安)
- 単身(1.5t~2tトラック相当):15,000円~30,000円
- 2人家族(2tロング~3tトラック相当):30,000円~50,000円
- 3~4人家族(4tトラック相当):40,000円~70,000円
上記の金額はあくまで保管料のみの目安です。実際には、この料金に加えて往復の引越し運搬費がかかることを忘れないようにしましょう。
大手引越し業者のサービス例
多くの大手引越し業者が保管サービスを提供しています。見積もりを取る際の参考にしてください。
- アート引越センター:「お荷物お預かりサービス」
- サカイ引越センター:「建て替えコース」「お荷物保管サービス」
- 日本通運:「トランクルームサービス」
また、業者によっては「最初の1ヶ月保管料無料」といったキャンペーンを実施している場合があるため、積極的に活用しましょう。
トランクルームの利用料金
トランクルームは、中長期の保管や、保管中に荷物を出し入れしたい場合に非常に便利なサービスです。料金は立地や設備、広さによって大きく異なります。
料金体系
基本的には「初期費用(事務手数料、保証料など)」+「月額利用料」で構成されています。初期費用は月額料金の2~3ヶ月分が目安です。
料金相場(月額・地域により変動)
トランクルームの料金は、利便性の高い都心部ほど高く、郊外に行くほど安くなる傾向があります。また、空調設備のある屋内型は、屋外型よりも料金が高めに設定されています。
| サービス種類 | 広さ | 料金相場(月額) |
|---|---|---|
| 宅配型 | 1箱あたり | 300円~500円 |
| 屋内型トランクルーム(都心部) | 0.5畳 | 5,000円~9,000円 |
| 1.0畳 | 8,000円~15,000円 | |
| 1.5畳 | 12,000円~20,000円 | |
| 3.0畳 | 20,000円~35,000円 | |
| 屋外型トランクルーム(郊外) | 1.5畳 | 6,000円~10,000円 |
| 3.0畳 | 10,000円~18,000円 | |
| 8.0畳 | 20,000円~30,000円 |
料金の傾向
・郊外は都心部より2~4割安い
・屋外型は屋内型より2~3割安い
保管する荷物の種類と、自宅からのアクセスなどを考慮して、最適な場所とタイプのトランクルームを選びましょう。
引っ越し荷物預かりの料金相場を抑える賢い選び方
保管費用を安くする方法とは?
少し工夫するだけで、荷物預かりにかかる総費用を大きく抑えることが可能です。以下の7つの方法をぜひ実践してみてください。

費用を抑える7つのコツ
- 複数の業者から相見積もりを取る
基本中の基本です。引越し業者、トランクルーム業者ともに最低3社以上から見積もりを取り、料金とサービス内容をしっかり比較しましょう。 - 不要品を処分する
預ける荷物量が減れば、より小さなスペースで済み、料金を直接的に下げられます。引っ越しは、持ち物を見直す絶好の機会です。 - 郊外のトランクルームを利用する
都心部よりも郊外の方が月額料金は格段に安くなります。荷物の出し入れの頻度が低い場合は、少し離れた場所も検討してみましょう。 - 屋外型コンテナを選ぶ
預ける荷物が衣類や本などデリケートなものでなければ、料金の安い屋外型コンテナも有力な選択肢です。アウトドア用品や工具などの保管に適しています。 - 引越し業者のキャンペーンを利用する
「保管料○ヶ月無料」「Web申込割引」など、各社が実施しているキャンペーン情報をチェックし、うまく活用しましょう。 - 引越しの閑散期を狙う
3月~4月の繁忙期はすべての料金が高騰します。可能であれば、料金が下がる閑散期(6月、11月など)に利用日を調整するのも一つの手です。 - 荷物の運搬を自分で行う
トランクルームを利用する際、レンタカーを借りるなどして自分で荷物を運べば、運送業者に依頼する費用(数万円)を節約できます。
ケース別の料金シミュレーション
実際にどれくらいの費用がかかるのか、具体的なケースでシミュレーションしてみましょう。手配の手間と料金のバランスを考える上で参考にしてください。

ケース1:一人暮らし・1ヶ月保管
- 状況:1Kから1LDKへ引越し。退去日と入居日に2週間のズレが発生。
- 荷物量:1.5tトラック分(ベッド、冷蔵庫、洗濯機、段ボール15箱)
| 引越し業者A社 | 運搬・保管セットプランで総額80,000円。 (メリット:手配が楽 / デメリット:保管中の出し入れ不可) |
|---|---|
| トランクルームB社+運送業者 | トランクルーム(1.5畳):月額12,000円+初期費用5,000円 = 17,000円 運送業者(往復):40,000円 合計:57,000円 (メリット:総額が安い / デメリット:手配の手間がかかる) |
結論:短期の場合、料金面ではトランクルーム+運送業者の方が安くなる可能性がありますが、手配の手間を考えると引越し業者のセットプランも魅力的です。
ケース2:家族4人・リフォームで半年保管
- 状況:自宅リフォームのため、家財一式を半年間預ける。
- 荷物量:4tトラック分(大型家具・家電含む)
| 引越し業者C社 | 建て替えパック利用。 往復運搬費: 150,000円 保管料: 月額50,000円 × 6ヶ月 = 300,000円 合計: 450,000円 |
|---|---|
| トランクルームD社(郊外・屋外型)+引越し業者 | トランクルーム(8畳): 月額25,000円 × 6ヶ月 = 150,000円+初期費用15,000円 引越し業者(往復): 150,000円 合計: 315,000円 |
結論:半年以上の長期保管の場合、郊外のトランクルームを利用すると総費用を大幅に削減できる可能性が高いです。
知っておきたい注意点とデメリット
各サービスにはメリットだけでなく、注意すべき点やデメリットも存在します。契約後に「こんなはずじゃなかった」と後悔しないよう、事前にしっかり把握しておきましょう。

引越し業者の保管サービスの注意点
- 荷物の出し入れができない:これが最大のデメリットです。保管期間中は、原則として荷物を取り出すことはできません。万が一取り出す場合も、高額な手数料や数日前の予約が必要になることがほとんどです。
- 保管場所が遠方の場合がある:荷物がどこに保管されるかを利用者が選べず、郊外の大型倉庫に運ばれるケースが多いです。
- 長期保管は割高:3ヶ月以上の長期になると、自分でトランクルームを借りるより総額が高くなる傾向があります。
トランクルームの注意点
- 運搬手段を別に確保する必要がある:自分で運ぶか、引越し業者などを別途手配する手間がかかります。
- 初期費用がかかる:月額料金の他に、保証料や事務手数料などの初期費用が必要です。
- 解約予告期間がある:解約したい月の1ヶ月前までに申告が必要など、独自のルールがあります。急な解約には対応できない場合が多いです。
- 立地による料金差が大きい:同じ広さでも都心と郊外では料金が大きく異なります。
宅配型トランクルームの注意点
- 取り出しに時間と送料がかかる:荷物を手元に戻すまでに数日かかり、その都度送料が発生します。
- 預けられるものに制限がある:原則として、専用の段ボール箱に入るサイズのものに限られます。
契約から搬出までの利用の流れ
実際に荷物預かりサービスを利用する際の手順を、ステップごとに解説します。全体の流れを把握しておくと、スムーズに手続きを進められます。
- 情報収集と比較検討
インターネットで「地域名+トランクルーム」などで検索し、複数の業者をリストアップします。公式サイトで料金、広さ、設備、立地などを比較検討しましょう。 - 問い合わせと見積もり
気になる業者が見つかったら、電話やWebフォームから問い合わせます。預けたい荷物量や利用希望期間を伝え、詳細な見積もりを依頼します。 - 現地見学(トランクルームの場合)
契約前に必ず現地を訪れましょう。施設の清潔さ、実際の広さ、搬入経路の使いやすさ、セキュリティ体制などを自分の目で確認することが失敗しないための重要なポイントです。 - 契約手続き
申込書に記入し、必要書類(本人確認書類、印鑑、銀行口座情報など)を提出します。その後、初期費用を支払って契約完了です。 - 荷物の搬入
【引越し業者の場合】指定した日時に業者が集荷に来て、そのまま倉庫へ搬入してくれます。
【トランクルームの場合】自分で運ぶか、手配した運送業者に依頼して搬入します。施設によっては台車などの備品を無料で借りられるか確認しておくと便利です。 - 利用期間中
トランクルームの場合、契約時間内であればいつでも自由に荷物を出し入れできます。 - 解約と搬出
契約書で定められた解約予告期間(通常は1ヶ月前)までに、業者へ解約の連絡を入れます。契約終了日までにすべての荷物を搬出し、室内を清掃して鍵を返却すれば手続きは完了です。
預けられないもののリスト
安全管理や衛生上の理由から、荷物預かりサービスでは保管が禁止されている品物があります。知らずに持ち込んでトラブルにならないよう、事前に確認しておきましょう。
保管禁止物の主な例
- 貴重品:現金、有価証券、通帳、印鑑、宝石、貴金属、美術品など
- 危険物:ガソリン、灯油、シンナー、ガスボンベ、マッチ、ライター、火薬、塗料など引火性・発火性のあるもの
- 食品・生物:生もの、加工食品、動植物、ペットフードなど腐敗や害虫・害獣の原因となるもの
- 異臭・悪臭を発するもの:香料、薬品、ゴミ、汚物など
- 法律で所持が禁じられているもの:銃器、刀剣類、麻薬など
- その他:水分や湿気を含んだもの、遺骨、公序良俗に反するもの
これらの品物は、万が一損害が発生しても保険の対象外となります。判断に迷うものがある場合は、必ず事前に業者へ確認してください。
保管環境・セキュリティ・保険の確認点
大切な家財を預ける上で、施設の「保管環境」「セキュリティ」「保険」は非常に重要なチェックポイントです。特にデリケートな荷物や高価なものを預ける場合は、慎重に確認しましょう。


保管環境
- 屋内型トランクルーム:定温・定湿管理された空調設備や換気システムが完備されていることが多く、カビや結露のリスクが低いです。衣類、布団、書籍、精密機器、美術品など、温度や湿度の変化に弱いデリケートな荷物の保管に適しています。
- 屋外型トランクルーム:外気の影響を受けやすく、夏は高温多湿、冬は低温になります。結露が発生しやすいため、温度変化に強いタイヤ、アウトドア用品、工具、陶器などの保管に向いています。
セキュリティ
見学の際には、以下の点をチェックしましょう。
- 入退室管理:カードキーや暗証番号などで、契約者以外が入れないようになっているか。
- 防犯カメラ:敷地内や通路に設置され、24時間監視・録画されているか。
- 警備会社との連携:SECOMやALSOKといった大手警備会社と契約しているか。
- 管理人の常駐・巡回:スタッフが常駐または定期的に巡回しているか。
- 照明・フェンス:夜間でも施設全体が明るく、敷地がフェンスで囲まれているか。
保険
- 基本補償:ほとんどの業者で、火災・盗難に対する保険が基本料金に含まれています。ただし、補償上限額は10万円~50万円程度が一般的です。
- 任意保険:基本補償だけでは不安な場合、オプションで補償額を上乗せできるか確認しましょう。
- 補償対象外:地震、津波、洪水などの自然災害による損害や、荷物の経年劣化は補償の対象外となることが多いです。契約前に保険の適用範囲を必ず確認してください。
建て替え・リフォームでの利用事例
自宅の建て替えや大規模リフォームは、家財一式を数ヶ月から1年程度預ける必要がある代表的なケースです。この場合、主に2つの方法が考えられます。

方法1:引越し業者の「建て替えパック」を利用する
- メリット:仮住まいへの引越し、家財の保管、新居への引越しをすべて一括で依頼できるため、手間が大幅に省けます。
- デメリット:トランクルームを個別に契約するより、トータルコストが割高になる可能性があります。
方法2:トランクルームを契約し、引越し業者に運搬を依頼する
- メリット:郊外の大型トランクルームを選ぶなど工夫すれば、総費用を抑えられます。また、保管期間中も必要に応じて荷物を出し入れできる自由度があります。
- デメリット:トランクルーム探しと引越し業者の手配を、それぞれ別々に行う手間がかかります。
建て替え・リフォーム利用時のポイント
- 荷物の仕分け:事前に「仮住まいで使うもの」「工事期間中ずっと預けておくもの」「不要品」の3つに仕分けておくと、作業が非常にスムーズになります。
- 長期保管への備え:衣類はクリーニング後に防虫カバーをかける、収納ケースに除湿剤や防虫剤を入れるなど、カビ・害虫対策をしっかり行いましょう。
- 保険の確認:高価な家財が多いため、保険の補償上限額が十分かを確認し、必要であればオプションの保険に加入することを検討してください。
荷物預かりサービスのよくある質問
最後に、荷物預かりサービスに関して多くの方が疑問に思う点をQ&A形式でまとめました。
Q1. 1週間だけなど、1ヶ月未満の短期でも預けられますか?
A1. 引越し業者の中には数日単位での保管に対応している場合があります。一方、トランクルームは最低利用期間が1ヶ月からとなっていることがほとんどです。ごく短期間の場合は、まず引越し業者に相談してみましょう。
Q2. 保管中に荷物を出し入れすることはできますか?
A2. トランクルームやレンタル収納スペースは、契約時間内であれば原則として24時間365日自由に荷物の出し入れが可能です。一方、引越し業者の保管サービスは、倉庫のセキュリティ上、原則として荷物の出し入れはできません。可能な場合でも、高額な手数料や数日前の予約が必要となります。
Q3. 見積もりや見学は無料ですか?
A3. はい、ほとんどの業者で、見積もり依頼やトランクルームの現地見学は無料で行っています。契約で後悔しないためにも、必ず複数の業者を比較検討することをおすすめします。
Q4. バイクやタイヤは預けられますか?
A4. 屋外型トランクルームや、バイク専用のコンテナであれば保管可能です。ただし、安全上の理由から「ガソリンは完全に抜く」「バッテリーを外す」などのルールが定められている場合が多いので、契約前に必ず確認してください。
Q5. 契約時に必要なものは何ですか?
A5. 一般的に、①本人確認書類(運転免許証、健康保険証など)、②印鑑(認印で可の場合が多い)、③初期費用(現金またはクレジットカード)、④月額料金引き落とし用の銀行口座情報と届出印が必要です。業者によって異なる場合があるため、事前に確認しましょう。
Q6. 支払方法はどのようなものがありますか?
A6. 初期費用は現金、クレジットカード、銀行振込で支払い、毎月の利用料は口座振替が一般的です。最近では、月額料金もクレジットカード払いに対応している業者が増えています。
引っ越し荷物預かり相場を抑える選び方ポイント
この記事では、引っ越し時の荷物預かりサービスの料金相場から、サービスの種類、安くする方法、選び方のポイントまで詳しく解説しました。最後に、最適なサービスを賢く選ぶための重要なポイントをまとめます。

- 荷物預かりサービスには主に引越し業者と各種トランクルームがある
- 短期で手間をかけたくないなら引越し業者、長期や自由度重視ならトランクルームが基本
- 料金は月額保管料だけでなく初期費用や運搬費など総額で比較検討する
- 一人暮らしのトランクルーム相場は月額3,000円~1.5万円が目安
- 家族利用のトランクルーム相場は月額1.2万円~5万円が目安
- 引越し業者の保管料はトランクルームより割高な傾向がある
- 費用を抑えるには不要品処分と複数社からの相見積もりが不可欠
- デリケートな荷物は空調完備の屋内型トランクルームを選ぶ
- 大型で丈夫な荷物なら料金の安い屋外型トランクルームも選択肢になる
- 保管中の荷物出し入れの有無はサービス選びの重要な判断基準
- 引越し業者は原則出し入れ不可、トランクルームは24時間可能な場合が多い
- 契約前には必ずトランクルームの現地見学を行い保管環境やセキュリティを確認する
- 保険の補償上限額と補償対象外の項目(特に自然災害)を必ず確認しておく
- 建て替えなど長期保管の場合は郊外のトランクルーム利用で大幅なコスト削減が可能
- 自分の保管期間、荷物の種類と量、利便性、予算を明確にして最適なプランを選ぶ










