引っ越しの荷物預かり3ヶ月はどこがいい？料金とサービスを徹底比較

引っ越しの際、新居の完成やリフォーム、入居日の都合で約3ヶ月間、荷物を預ける必要に迫られることがあります。

その際、引っ越し業者にそのまま依頼すべきか、トランクルームを別途契約すべきか、比較してどっちが良いのか迷う方は少なくありません。

また、3ヶ月利用した場合の料金相場や、見落としがちな初期費用も気になるところです。建て替えやリフォーム、新築での利用など、状況によって最適な選択肢は異なります。

さらに、便利な宅配型トランクルームという選択肢もあり、各サービスのメリットやデメリットを理解した上での選び方のポイントが重要になります。大切な家具や家電を安全に保管するための保管方法や注意点も含め、後悔しないための知識は不可欠です。

この記事では、3ヶ月の荷物預かりに関するあらゆる疑問を解消し、あなたの状況に最適なサービスを見つけるための完全ガイドを提供します。

引っ越し荷物預かり3ヶ月の主要3サービス徹底比較

引っ越し業者とトランクルーム比較どっちを選ぶ？

引っ越しに伴い3ヶ月間荷物を預ける場合、主な選択肢は「引っ越し業者の保管サービス」と「トランクルーム（自己保管型倉庫）」の2つに大別されます。どちらを選ぶべきかは、何を最も重視するかによって決まります。

手続きの簡便さを最優先し、保管期間中に荷物に一切触れる必要がないのであれば、引っ越し業者のサービスが最適です。搬出から保管、搬入までをワンストップで任せられるため、手間が圧倒的に少なくて済みます。

一方、保管期間中に荷物を出し入れする可能性がある場合や、温度・湿度に敏感なデリケートな家財を預ける場合は、トランクルームが推奨されます。特に空調設備が整った屋内型トランクルームは、優れた保管環境を提供します。

近年では、この2つに加えて「宅配型トランクルーム」も有力な選択肢として登場しており、それぞれの特徴を理解することが重要です。以下の表で3つのサービスを比較してみましょう。

各サービスのメリット・デメリットを整理

各サービスには、一長一短があります。自分の引っ越しの状況と照らし合わせながら、最適なものを見極めましょう。

引っ越し業者の保管サービス

トランクルーム（自己保管型倉庫）

宅配型トランクルーム

注目される宅配型トランクルームの選択肢

近年、特に都市部で人気を集めているのが宅配型トランクルームです。車を持っていなくても手軽に利用でき、段ボール単位の少量保管に強いのが特徴です。

代表的なサービスには以下のようなものがあります。

• サマリーポケット： 業界大手で、豊富なオプションが魅力。月額330円/箱から利用でき、クリーニングやヤフオク!出品代行などのユニークなサービスも提供しています。サカイ引越センターや日本通運とも提携しており、信頼性が高いです。
• minikura（ミニクラ）： 寺田倉庫が運営するサービスで、業界最安水準の月額320円/箱から利用可能です。シンプルな料金体系で分かりやすいのが特徴です。
• CARAETO（カラエト）： アイテム単位での管理・取り出しが可能なサービス。預けた衣類などをアプリ上で売買できるマーケット機能も備えています。

3ヶ月の料金相場と安いのはどれ？

3ヶ月の荷物預かりで最も気になるのが費用です。表面的な月額料金だけでなく、総額で比較することが賢い選択の鍵となります。

各サービスの料金相場（月額）

• 引っ越し業者： 15,000円～25,000円程度（一般的な家財量の場合）
• トランクルーム： 5,000円～20,000円以上（1～3畳、立地や設備による）
• 宅配型サービス： 110円～500円/箱（箱単位の場合）

月額料金だけを見ると宅配型サービスが最も安価に見えますが、これはあくまで箱単位の料金です。ある程度の荷物量がある場合、総費用はトランクルームの方が安くなるケースも少なくありません。

3ヶ月利用時の総費用比較

このように、単純な月額料金比較では本当のコストは見えません。特にトランクルームは次の項目で解説する「初期費用」が、宅配型は「取り出し送料」が総額に大きく影響します。

見落としがちなトランクルームの初期費用

トランクルームを3ヶ月という短期間で利用する際に最大の注意点が「初期費用」です。契約時に、月額賃料の1.5ヶ月～3.5ヶ月分に相当する金額を支払うのが一般的で、場合によっては3ヶ月分の賃料を上回ることもあります。

具体的なシミュレーションを見てみましょう。

月額10,000円のトランクルームを月中から契約した場合の初期費用例

このように、短期利用の場合は初期費用が総コストに与える影響が非常に大きいため、初期費用が安い事業者（例：キュラーズなど）を選ぶことが、費用を抑える上で極めて重要です。

建て替え・リフォーム・新築での利用例

引っ越しに伴う荷物の一時保管は、特に家の建て替え、リフォーム、新築の際に頻繁に発生します。それぞれのケースで最適なサービスの選び方は異なります。

建て替え・リフォームの場合

建て替えや大規模リフォームでは、3ヶ月から半年以上の長期保管が必要になることが多く、家財一式を預けることになります。

この場合、荷物量が多いため宅配型は不向きです。選択肢は引っ越し業者の保管サービスか、トランクルームとなります。

おすすめの選択：
期間が明確に決まっており、保管中に荷物を出す必要がなければ、手間のかからない引っ越し業者の保管サービスが便利です。

一方で、工事の進捗によって期間が変動する可能性があったり、途中で必要なものを取り出したくなったりする可能性がある場合は、大型のトランクルームを契約する方が柔軟に対応できます。

新築の場合

旧居の退去日から新居の入居日まで、1ヶ月～2ヶ月程度のズレが生じるケースです。この場合も家財一式を預けることになります。

おすすめの選択：
短期間であり、入居日が確定していることが多いため、引っ越し業者の保管サービスが最もスムーズで合理的です。引っ越し業者によっては、建て替えや新築向けの専用プランを用意していることもあります。

後悔しない！引っ越し荷物預かり3ヶ月の準備と選び方

失敗しないための選び方の5つのポイント

3ヶ月の荷物預かりサービスを選ぶ際には、料金だけでなく、以下の5つのポイントを総合的にチェックすることが後悔しないための鍵です。

これらのポイントをリストアップし、複数の事業者を比較検討することで、自身のニーズに最も合致したサービスを見つけることができます。

主要な引っ越し業者の保管サービス

大手引っ越し業者は、信頼性の高い保管サービスを提供しており、提携サービスも充実しています。ここでは代表的な3社を紹介します。

サカイ引越センター

主に新築やリフォームに伴う引っ越しを対象に、最長5ヶ月程度の保管サービスを提供しています。料金目安は月額20,000円程度です。

特筆すべきは宅配型トランクルーム「サマリーポケット」との提携で、引っ越し時に出たすぐ使わない荷物を、サカイの段ボールのまま安価に預けられるハイブリッドソリューションが魅力です。

アート引越センター

オプションサービスとして保管を提供しており、料金体系が非常に柔軟です。荷物量や保管日数によっては、保管料が無料になるケースもあるとされており、交渉の余地が大きいことが特徴です。総費用は保管料、入出庫作業費、その他オプションの合計で決まります。

日本通運（NXグループ）

物流のプロならではの洗練されたサービスが特徴です。1ヶ月以上の長期保管には、国土交通省認定の「優良トランクルーム」を使用し、高品質な環境で保管します。

さらに、顧客の多様なニーズに応えるため、トランクルームの「ハローストレージ」と宅配型の「サマリーポケット」の両方と提携しており、最適な保管方法をワンストップで提案してくれます。

おすすめのトランクルーム事業者3選

トランクルームを選ぶ際は、特に3ヶ月の短期利用では初期費用が総額を大きく左右します。ここでは特徴の異なる主要3社を比較します。

キュラーズ

初期費用が安いのが最大の特徴です。敷金・礼金、事務手数料、管理費が一切かからず、支払うのは当月・翌月分の使用料とセキュリティカード代のみ。

そのため、3ヶ月のような短期利用では総費用を圧倒的に抑えることができます。全店舗が屋内型で、空調・セキュリティも万全です。

ハローストレージ

業界最大手で、物件数が非常に多く、希望のエリアで見つけやすいのがメリットです。屋内型、屋外型、バイク専用など多様なタイプのトランクルームを提供しています。

ただし、伝統的な料金体系で初期費用が高額になる傾向があるため、短期利用の場合は総額の見積もりをしっかり取ることが重要です。

>>ハローストレージのトランクルームを見てみる

スペースプラス

比較的リーズナブルな価格設定が魅力の事業者です。ただし、事務手数料がかかるほか、契約内容によっては更新料や解約手数料が設定されている場合があるため、短期利用の際は契約内容を細かく確認する必要があります。

【家具編】カビを防ぐ保管方法と注意点

3ヶ月という期間は、特に空調のない倉庫ではカビが発生するのに十分な時間です。大切な家具を守るために、適切な準備を行いましょう。

準備の手順

1. 徹底的な清掃：保管前に家具の表面のホコリや汚れを完全に取り除きます。特に木製家具は固く絞った布で拭き、完全に乾燥させることが重要です。
2. 通気性の確保：家具を床に直接置くのは絶対に避けてください。パレットや「すのこ」を下に敷き、空気の通り道を確保します。壁との間にも数センチの隙間を開けましょう。
3. 適切なカバーの使用：湿気を閉じ込めるビニールシートはNGです。通気性のある綿のシーツや、専用の家具カバーを使用してください。
4. 防湿・防虫対策：ユニット内や、タンスの引き出し内部などに、除湿剤や防虫剤を設置します。

【家電編】水抜き必須な家電の保管方法

冷蔵庫や洗濯機は、内部に残った水が原因で輸送中の水漏れ、保管中のカビや悪臭、故障につながる可能性があります。必ず「水抜き」作業を行いましょう。

冷蔵庫の水抜き

1. 電源を抜く：引っ越しの24時間～48時間前には電源を抜きます。これにより冷凍庫の霜が完全に溶けます。
2. 清掃と乾燥：食品を全て取り出し、庫内を清掃して悪臭を防ぎます。
3. 水を捨てる：本体背面下部にある「蒸発皿」を取り外し、溜まった水を捨てます。
4. ドアの固定：保管中は、カビ防止のためにドアを少し開けた状態で固定します。

洗濯機の水抜き

1. 給水ホースの水抜き：水道の蛇口を閉め、標準コースで1分ほど運転させてホース内の水を抜いた後、ホースを取り外します。
2. 洗濯槽と排水ホースの水抜き：電源を入れ、「脱水」を1分程度運転させ、内部の水を強制的に排出します。
3. 最終的な水抜き：排水口から排水ホースを抜き、ホース内に残った最後の水を完全に出し切ります。ドラム式の場合は、本体下部の「糸くずフィルター」からも排水が必要です。
4. 部品の保管：取り外したホースや付属品は、紛失しないようビニール袋にまとめ、洗濯槽の中に入れておくと確実です。

引っ越し荷物預かり3ヶ月のまとめ：総括

• • 引っ越し荷物の3ヶ月預かりは主に引っ越し業者、トランクルーム、宅配型の3択
  • 手続きの手間を最優先するなら引っ越し業者のワンストップサービスが最適
  • 保管中に荷物を出し入れする可能性があるならトランクルーム一択
  • 少量の段ボール荷物だけなら宅配型トランクルームが最も経済的
  • 引っ越し業者のメリットは手間が少ないが、荷物の出し入れは原則不可
  • トランクルームのメリットは自由なアクセスと優れた保管環境を選べること
  • トランクルームのデメリットは自身での運搬と高額な初期費用
  • 宅配型のメリットは手軽さと安さだが、取り出しに時間と送料がかかる
  • 3ヶ月の料金相場は業者で月1.5万円から、トランクルームで月0.5万円から
  • トランクルームは月額料金だけでなく初期費用を含めた総額で比較することが重要
  • キュラーズのように初期費用が安い事業者は3ヶ月の短期利用で非常に有利
  • 建て替えや新築など、荷物量や期間の確定度合いで最適なサービスは異なる
  • デリケートな家財は温度や湿度が管理された屋内型トランクルームが必須
  • 家具はカビ防止のため清掃と乾燥を徹底し、すのこを敷いて通気性を確保する
  • 冷蔵庫や洗濯機は故障やカビを防ぐため、事前の完全な水抜き作業が不可欠